こんにちは!HorseCampMongoliaで乗馬を教えているチカです。
草原をのんびり歩いているとき、馬が突然足を止め、グイッと首を下げて足元の草をムシャムシャ食べ始めた……。
これは、乗馬初心者の方がもっとも高確率で直面する「乗馬あるある」の一つです。
「手綱を引っ張っても全然上がらない!」「どうやって再出発させればいいの?」と慌ててしまう方も多いですが、コツさえ知っていれば力のない方でも簡単に対処できます。
今回は、馬が道草を食べる理由と、馬上で落ち着いて対処する具体的な手順をご紹介します!
なぜ馬は勝手に草を食べ始めてしまうのか?
馬にとって草原は、見渡すかぎり「大好物のごちそう」が広がっているバイキング会場のようなものです。
- 本能的な食欲:目の前に美味しそうな青草があれば、自然と口が伸びてしまいます。
- 乗り手を試している:実はこれがいちばん大きな理由です。馬はとても賢い動物です。「この乗り手さんは手綱が緩いな」「ちょっとサボっても怒られないかな?」と、乗り手の反応を確かめている(試している)ことがあります。
一度「草を食べても大丈夫だ」と馬が覚えてしまうと、歩くたびに何度も立ち止まる癖がついてしまいます。そのため、「今は歩く時間だよ」と人が主導権を握って教えてあげることが大切です。
慌てずに対処する3つのステップ

もし馬が下を向いて草を食べ始めたら、次の順番で落ち着いて対応しましょう。
ステップ1:真後ろに引かず「斜め上」に手綱を引き上げる
馬の首の力は、大人の人間の腕力よりはるかに強力です。両手で手綱をまっすぐ後ろに力任せに引っ張っても、馬は首を踏ん張って草を食べ続けてしまいます。
- コツ:手綱を少し短めに持ち直し、左右どちらかの手綱を「斜め上」に向かってクイッと持ち上げます。
- 片側のハミ(口の金具)に刺激を与えて馬のバランスを崩すことで、力比べをせずに小さな力でスッと頭を上げさせることができます。
ステップ2:頭が上がったら、すぐに手綱を元の位置へ
馬が草を食べるのをやめて頭を上げたら、引き続けていた手綱をすぐに緩め、元の位置(みぞおちの前あたり)に戻します。
「頭を上げれば苦しくない」というご褒美(プレッシャーの解除)を与えることで、馬は指示の意味を理解します。
ステップ3:前を見て、ハッキリ「チュ!」と発進させる
頭が上がった瞬間に、休ませずすぐ前進させます。
- 手元や馬の頭を見下ろすのをやめ、進みたい方向(前方の旗や前の馬)に目線を向けます。
- 間髪を入れずに「チュ!」と短く鋭い声で合図を出し、前へ進ませます。
やってはいけないNG対応


- 下を向いて馬の首ばかり見つめる:乗り手が下を向くと重心が前へ崩れ、馬がさらに頭を下げやすくなります。
- 「かわいそうだから」と食べさせ続ける:一度許すと、ツアー中ずっと草を食べ続け、列から大きく遅れてしまいます。また、急に頭を下げられた拍子に乗り手が前に投げ出される危険もあります。
- パニックになって手綱を離す:手綱を完全に放してしまうと、完全に馬のペースになってしまいます。
ルールを教え合うことで、馬との絆が深まる
乗馬は、馬の言いなりになるのでもなく、力でねじ伏せるのでもありません。「お互いのルールを守って一緒に進む」関係を作ることが大切です。
自分の合図で馬が草を食べるのをやめ、再び一緒に歩き出してくれたときの達成感は格別ですよ。焦らず落ち着いて、馬とのコミュニケーションを楽しんでみてくださいね!

